基調講演1

 

配信方法はオンディマンドとなり、質疑応答を会期中にZoomを用いて行う予定です。

LD・Dyslexiaへの英語教育の課題
LD/Dyslexia Children and English language learning
takeda1.jpg 竹田 契一 (大阪医科大学LDセンター顧問)

【講演概要】

読み書き障害には、知的には問題がないにもかかわらず読み書きに特化したDyslexia(発達性読み書き障害ともよばれる)から話す、聞く力の障害を含めた広い意味のLD(Learning Disabilities)まで様々である。特に聴覚系の問題を持っており、音韻意識、認識力の低下に起因する読み書きの障害(Phonological Processing Disorders)、視機能の問題として、視力だけではなく、目の動き、両眼の調節機能がアンバランスであることから起こる読み書き障害(Visual or Visuospatial Processing Problems)まで様々である。
 平成30年から小学校5・6年生では英語が成績評価の対象になることから、LD・Dyslexiaの児童生徒への効果的な学習指導が緊急課題となっている。
 今回はLD・Dyslexiaの特性が英語教育に与える影響について大阪医科大学LDセンターの知見をもとに発表する。

 

【略歴】

昭和365

米国アズベリー大学卒業

昭和375

米国ピッツバーグ大学大学院言語病理学科修了(MA授与)

昭和379

米国ミシガン大学大学院言語病理学科にて研究に従事

昭和408

同中途帰国

昭和513

慶応義塾大学医学部大学院医学研究科修了(医学博士授与)

昭和504

大阪教育大学聴覚言語障害児教育教員養成課程助教授

昭和584

大阪教育大学障害児教育講座教授

平成153

大阪教育大学定年退官

平成154

大阪医科大学小児科客員教授 (LDセンター)
大阪教育大学名誉教授

平成184

大阪医科大学LDセンター顧問

平成15年度

以降

LD等の特別支援教育関連専門委員
大阪府、大阪市、兵庫県、神戸市、京都市、京都府

神戸市私立幼稚園連盟子育て相談室長

 

【専門】
軽度発達障害(LD・ADHD・高機能広汎性発達障害)への教育的支援
ことばの遅れに対するインリアル・アプローチ
脳損傷児・者のスピーチリハビリテーション
神経心理学


【主な編著書】
SLTA(標準失語症検査)手引き 鳳鳴堂書店 1975年
失語症の基礎と臨床 金剛出版 1980年
障害児理解の方法 学苑社 1985年
インリアル・アプローチ 日本文化科学社 1994年
LD児の言語コミュニケーション障害の理解と指導 日本文化科学社 1997年
LD児サポートプログラム 日本文化科学社 2000年
実践インリアル・アプローチ事例集 日本文化科学社 2006年
ADHD・高機能広汎性発達障害の教育と医療 日本文化科学社 2006年
図説LD児の言語コミュニケーション障害の理解と指導(第2版)日本文化科学社 2007年
特別支援教育の理論と実践I,II,III 金剛出版 2007年
高機能広汎性発達障害の教育的支援 ~特別支援教育のプロを目指す教師のために~ 明治図書 2008年 他多数

基調講演2

配信方法はオンディマンドとなり、質疑応答を会期中にZoomを用いて行う予定です。

ユニバーサルデザイン英語教育:知ることで気付き、気付くことで始まる手立て
Universal Design TESOL: How to Reach Your Struggling Learners

image1.jpg 飯島 睦美 (群馬大学)

【講演概要】 

皆さまご存知の通り、日本語は英語に比べて読み書きの難しさが顕出しにくい言語であると言われています。小学校低学年でのことばの学習を終え、中学年からローマ字学習と英語活動が始まり、高学年からはアルファベット文字を扱う機会がさらに増えます。それまでの日本語の学習では、文字の読み書きに難しさがあると気付かないまま過ごしてきて、音声言語から文字言語への学習へ移行する瞬間、一気に奈落の底に落とされてしまう気持ちに襲われえる学習者は、決して少なくありません。もし、英語学習が始まる前に、学習者の持つ様々な特性に本人や周囲が気付くことができていれば、この状況を少しでも変えることができるものと期待されます。今回、英語学習に難しさを感じる学習者の認知傾向や言語学習適性能力についてのこれまで行ってきた研究結果を改めて考察し、今の英語教育に求められることについて、皆さまと共有できればと願っております。

【略歴等】

群馬大学大学教育・学生支援機構大学教育センター教授。県立高校での英語科教員、国立高等専門学校機構教授を経て現職。英国バーミンガム大学修士(TESOL)。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位満期取得退学。
 県立高校勤務時代は、“いけいけのスパルタ式”進学指導に邁進しておりました。高専へ異動後、英語教員の傍ら学生相談室長を兼務した際、実験レポートが書けず必修単位が修得できず退学する学生の後姿を見て何もできない自分をもどかしく感じ、発達障害や学習障害の勉強を始めました。その後、英語を苦手とする学生がどこに躓き、どのような手立てをすれば学びが前向きになるのかを考えることにつながり、私の研究テーマとなりました。「学ぶ場所から学ぶことが原因で遠のいてしまうことを防ぐ」ことが今、我々教育関係者が取り組むべきことではないでしょうか。皆さまのご研究内容も多様な学び方を持つ学習者にとってすぐに役に立つものでばかりです。今日は皆さまと情報を共有し、多様な学びの保障につながればと願っております。何卒宜しくお願い致します。


【主な著書等】
『学習障がいのある児童・生徒のための外国語教育』(翻訳)明石書店
"The Second Language Learning Processes of Students with Specific Learning Difficulties"(翻訳中2020年11月刊行予定)明石書店
『通常の学級の特別支援教育 特別支援教育の視点でどの子も学びやすい小学校英語の授業づくり』2020. 明治図書
『読み書きに困難のある児童・生徒のための英語学習支援』「英語教育」連載2019 年4月号~2020年3月号 大修館書店